【特徴】鎬造、庵棟、身幅広く、重ねやや厚く、元先にやや幅差つき、先反り、中切先延びる姿。

生茎、鑢目切り、先入山形、目釘孔一。

地鉄は、大板目肌、流れごころ、やや肌立ち、地沸つく。

刃文は、小湾れ調、互の目交じり、匂深く、細かな沸よくつき、金筋・砂流ししきりにかかる。

帽子は、浅く湾れ、小丸に返る。

鞘書 表 : 越中佐伯則重　長 貳尺五寸六分有之　生中心無銘也　　／裏 : 昭和廾三年子霜月上浣　本阿弥光遜　(花押)

【見どころ】二尺五寸五分強の長寸、手持ちのずしりと重い豪刀で、同田貫と極められています。大板目が肌立つ鍛えに、総体に沸匂深く長い金筋・砂流しがもくもくとかかる乱れ刃文で、迫力があります。同田貫は、肥後の刀工一派で、加藤清正の抱え工であったと伝えられています。天正(1573-1592)頃の正国、文禄(1592-1596)頃の清国らが一派の代表工として知られ、二者はそれぞれ加藤清正から名に一字づつ賜ったとされています。

【状態】わずかにヒケがありますが、概ね良好です。