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刀 白鞘入り Katana, Shirasaya |
梶山 靖徳
Kajiyama Yasunori |
【銘文】表 : 昭和八年十一月吉日 裏 : 靖徳 |
【寸法】刃長 66.7cm(2尺2寸0分1厘)、反り 1.8cm(5分9厘)、元幅 2.91cm、元重ね 0.71cm、先幅 1.71cm、先重ね 0.45cm、目釘孔 1個、刀身重量 613.5g 、白鞘全長 94cm
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【時代】昭和8年(1933) |
【都道府県】東京都 |
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【特徴】鎬造、庵棟、身幅・重ね尋常、元先に幅差つき、反り頃合いにつき、小切先となる姿。 生茎、鑢目切り、先栗尻、目釘孔一。 地鉄は、小板目肌つみ、地沸つく。 刃文は、中直刃、小互の目交じり、足入る。 帽子は、直ぐに小丸に返る。 【見どころ】昭和8年は、「近代以降の刀剣史上特筆される画期の年」とされます。昭和6年9月に満州事変、翌7年初めに第一次上海事変が続き、大陸での戦火が拡大する中、刀匠の質と量が前代に比し後退していた状況を憂慮し、相前後して二つの鍛錬所が設立されました。一つは、衆議院議員栗原彦三郎が、赤坂氷川町の勝海舟旧邸でもある自邸に日本刀鍛錬伝習所を、もう一つは、財団法人日本刀鍛錬会が、別格官幣社靖国神社境内の一角に鍛錬所を完成させます。両鍛錬所は、刀匠の単独的活動ではなく、組織的に協力して作刀の復興に尽力し、時代の要請に応えつつ本格的鍛錬を守り、刀匠を養成した点において結果的に共通しています。敗戦後の空白を経て、「美術刀剣」として再開されるようになる刀剣製作に先駆けて、昭和8年は、このように現代刀の基点になりました。 本作は、 「国粋たる日本刀を鍛錬し、主として陸海軍将校同相当官の軍刀の整備の助」を目的として製作された靖国刀のうちの一振りで、梶山靖徳刀匠52歳の作です。直刃を基調に、互の目交じり、足入り、匂口が冴えています。靖徳の本名は梶山徳太郎といい、広島県賀茂郡仁方町に住し、幼少の頃より刀匠の父に就き、ついで横山祐義に学び、刀工名を氏正と称し、備前伝を能くしました。昭和8年7月8日、宮口靖廣とともに日本刀鍛錬会の初期の技術員として、鍛錬場の竣工報告祭で荒木貞夫陸軍大臣より授名証を受け、打ち始め式を行っています。日本刀鍛錬会は、笠間一貫斎繁継系靖廣派、横山祐義系梶山靖徳派、池田一秀系池田靖光派の三派で構成されました。流派の異なる刀工らが、鎌倉後期の備前長光や景光を理想として、国宝審査員の神津伯、宮内庁御剣係の小山田繁蔵、中央刀剣会審査員の山岡重厚や倉田七郎の指導を受け、切磋琢磨して高度な技法を確立しました。 (参考文献 : 『靖国刀 - 伝統と美の極致-』 トム岸田 平成15年 雄山閣) 【状態】良好です。 |
【付属品】素銅地金着一重ハバキ、白鞘、白鞘袋、登録証(東京都 85096号 昭和三二年四月四日交付)、正真鑑定書(日本刀剣保存会 平成29年11月19日発行)
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【商品番号】A020123 【価格】売約済 |
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