薙刀　白鞘入り
Naginata, Shirasaya

【銘文】表 : 伯耆守藤原汎隆　裏 : 播磨大掾藤原重高

【寸法】刃長 39.69cm(1尺3寸1分0厘)、2.42cm反り (8分0厘）、元幅 2.80cm、元重ね 0.73cm、目釘孔 1個、刀身重量 536g 、白鞘全長 106cm

【時代】江戸時代前期

【国】越前

【特徴】薙刀造、三ツ棟、重ね厚く、頭張り、反りやや深くつく姿。

彫物は、表裏に薙刀樋を彫る。

生茎、鑢目檜垣、先剣形、目釘孔一。

地鉄は、小板目肌、杢交じり、地沸つき、細かな地景入り、かな色黒味を帯びる。

刃文は、直刃調、わずかに湾れ、互の目交じり、匂深く、沸厚くつく。

帽子は、直ぐに先尖りごころ、やや深く返る。

【見どころ】 伯耆守汎隆は寛文頃の越前下坂派の刀工です。播磨大掾重高も同派の越前刀工で、初代は寛永頃、二代は寛文頃に活躍しています。初代重高は、初代康継の門人で、石見守信仍(のぶより)との合作例があります。越前刀工の多くが茎先を剣形・入山形とする中、重高は栗尻とし、二代に比しても初代は栗尻が浅くなるという違いがあります。本作は茎尻剣形で、類例に「寛文五年九月九日」年紀の伯耆守汎隆・播磨大掾重高合作刀があり、やや竪長の銘字の字形からも、二代重高との合作と考えられます。汎隆と重高は作風が近く、このような作からも実際に技術的交流があったことがうかがえます。地鉄がよくつみ、生茎を残した健全な薙刀です。

【状態】わずかに横スレ・ヒケがありますが、そのほかは良好です。

【付属品】一重ハバキ、白鞘、白鞘袋、登録証(石川県三七二五号 昭和二六年三月二四日発行)、特別保存刀剣鑑定書(日本美術刀剣保存協会 令和6年5月31日発行)

【商品番号】A020625　【価格】700,000円(消費税、国内送料込み)