短刀　白鞘入り
Tanto, Shirasaya

【銘文】表 : (桜花紋)東武太郎英義　裏 : 元治子年春作之

【寸法】刃長 22.5cm(7寸4分2厘)、反り 0.2cm(内反り）(6厘)、元幅 2.59cm、元重ね 1.04cm、目釘孔 1個、刀身重量 264g 、白鞘全長 39cm

【時代】江戸時代末期(1864)

【国】上野国 - 武蔵国

【特徴】平造、庵棟、重ね厚く、内反りとなる短刀姿。

生茎、鑢目大筋違に化粧鑢、先栗尻、目釘孔一。

彫物は、表裏に腰樋を掻き、丸止めとする。

地鉄は、小板目肌よくつみ、地沸つく。

刃文は、腰に互の目に丁子交じり、上の方は直刃調、沸つき、金筋・砂流しかかる。

帽子は、直ぐに小丸、先掃き掛ける。

【見どころ】よくつんだ小板目肌、乱刃が直刃へと連なる刃文構成をなし、茎を長めに仕立て、内反りとなる重ねの厚い短刀です。
　英義(てるよし)は、文政六年(1823)、上野国那波郡川井村（現・群馬県佐波郡玉村町）生まれ、玉鱗子英一(てるかず)の子、藤枝熊之助といい、通称は繁太郎、作刀を父に学び、のちに細川正義に入門しました。嘉永六年、川越藩のお抱え刀工となり、外国船がしきりに来航する江戸湾の防衛を担った川越藩の武備増強にも貢献しました。南海太郎朝尊は、『新刀銘集録』で「当今江戸無類の上手也、未だ壮年に付鍛錬妙所に至るの鍛工家なるべし」と英義を讃えています。　廃刀令が出された明治九年(1876)病により54歳の生涯を閉じました。本作は、『上州刀工図譜』所載の出来優れた一口です。

【状態】古研ぎ、概ね良好です。

【付属品】ハバキ、白鞘、白鞘袋、登録証(群馬県26828号 昭和44年5月16日交付)、特別保存刀剣鑑定書(日本美術刀剣保存協会 令和6年12月４日発行) 、特別貴重刀剣認定書(同前 昭和44年3月9日発行)、　『上州刀工図譜』所載(58頁)コピー資料

【商品番号】A030625　【価格】880,000円(消費税、国内送料込み)