刀　拵入り
Katana, Koshirae

【銘文】無銘

【寸法】刃長 69.1cm(2尺2寸8分強)、反 0.45cm(1分5厘）、元幅 3.14cm、元重ね 0.71cm、先幅 1.96cm、先重ね 0.48cm、目釘孔 3個、刀身重量 770.5g 、拵全長 98cm

【時代】江戸時代前期　寛文頃

【国】武蔵

【特徴】鎬造、庵棟、身幅・重ね尋常、元先に幅差つき、反り浅く、中切先となる姿。

茎は磨上、鑢目勝手下がり、先切り、目釘孔三。

地鉄は、板目に杢・流れ肌交じり、肌立ちごころ、地沸微塵につき、地景細かに入り、鉄色少しく黒みがかり、白け映り立つ。

刃文は、広直刃調、互の目足・小足・葉交じり、小沸よくつく。

帽子は、表は乱れ込み、裏は浅く湾れて、ともに先掃き掛けて小丸に返る。

黒蝋色塗鞘打刀拵 : 椎茸図鐔(鉄地丸形)、花卉図目貫(銅地金色絵)、篆書文字入縁頭(鉄地)

【見どころ】本作は、反りの少ない寛文新刀の大磨上となる姿で、板目に杢や流れ肌を交えて肌立ちごころとなり、地沸が微塵につき、地景が細かに入り、かな色が少しく黒みがかり、「越前がね」と呼ばれる特色のある地鉄鍛えに加え、沸づく広直刃調互の目足交じりの作域から、近江守継平と極められています。近江守継平は、越前三代康継の門人と伝えられ、藤田与兵衛といい、寛文頃に江戸や越前で作刀しました。「武州住近江守藤原継平」、「下坂近江守藤原継平」、「近江守藤原継平越前住」などと銘をきります。年紀銘を入れた作は「延宝九年」が知られている他はごく稀で、元禄頃の二代も「正徳元年」の他は年紀作は稀です。享保頃の三代、安永頃の四代まで、近江守継平の名跡は継承されており、いずれも上手です。

【状態】ごく小さな刃こぼれが2箇所ほどあります。

【付属品】銀一重ハバキ、拵、拵袋、登録証(山形県8789号 昭和廿八年拾月拾八日交付)、保存刀剣鑑定書(日本美術刀剣保存協会 令和6年2月21日発行)

【商品番号】A030724　【価格】430,000円(消費税、国内送料込み)