短刀　白鞘入り
Tanto, Shirasaya

【銘文】表 : (葵紋)越前康継　　裏 : 以南蛮鐡

【寸法】刃長 28.2cm(9寸4厘)、反り なし、元幅 2.52cm、元重ね 0.62cm、目釘孔 ２個、刀身重量 169.7g 、白鞘全長 48cm

【時代】不明

【国】不明

【特徴】平造、三ツ棟、身幅・重ね尋常、反りのない姿。

彫物は、表にやや幅の異なる二筋樋を、裏に房樋に添樋を掻き、丸留めとする。

地鉄は、板目肌、杢目を交え、地沸つき、かな色黒味を帯びる。

刃文は、湾れに互の目を交え、小足入り、よく沸付いて、砂流しかかり、匂口沈みごころとなる。

帽子は、直ぐに小丸、やや長く返り、先掃き掛ける。

【見どころ】初代康継は、近江国坂田郡下坂郷の出身で、越前に移住して結城秀康に抱えられました。「肥後大掾下坂」と銘していましたが、慶長10-11年の間に江戸に召され、徳川家康・秀忠両将軍の前で鍛刀し、その賞として葵紋及び「康」の一字を賜り、名を康継と改めました。同名及び一門は、江戸と越前の両地で栄え、以後幕末に及びます。康継は、輸入鋼を和鋼に加味して鍛錬することを得意とし、そのように鍛錬した作には「以南蛮鉄」と添銘しています。康継の短刀の製作は、初二代を通じて極めて少なく、本作は、板目に杢交じり古色ある地鉄に、匂口沈みごころによく沸づく乱刃となり、表裏に幅の異なる樋の彫物のある、姿尋常の一口です。

【状態】良好です。

【付属品】素銅地銀着二重ハバキ、白鞘、白鞘袋、登録証(高知県 壱四五五八号 昭和四十年九月二五日交付)、特別貴重刀剣認定書(日本美術刀剣保存協会 　昭和46年2月7日発行)

【商品番号】A031024　【価格】290,000円(消費税、国内送料込み)