脇差　白鞘入り
Wakizashi, Shirasaya

【銘文】表 : 龍神太郎源貞行作　裏 : 昭和六十三年五月吉日

【寸法】刃長 41.7cm(1尺3寸7分6厘)、反り 0.8cm(2分6厘）、元幅 3.28cm、元重ね 0.71cm、先幅 2.38cm、先重ね 0.49cm、目釘孔 1個、刀身重量 503.5g 、白鞘全長 62.5cm

【時代】昭和63年(1988)

【都道府県】和歌山

【特徴】鎬造、庵棟、身幅広め、重ねやや厚く、元先にやや幅差つき、反り頃合いにつき、中切先延びごころとなる姿。

彫物は、表に本居宣長の和歌の一節から「朝日耳尓ほふ山桜花」を、裏に護摩箸を彫る。

生茎、鑢目大筋違に化粧鑢、先栗尻、目釘孔一。

地鉄は、板目肌よく練れ、地沸つき、地景入る。

刃文は、互の目に丁子刃交じり、足・葉入り、小沸つき、細かな砂流しかかる。

帽子は、表はほとんど直ぐに裏は少しく乱れ込み、先丸く掃き掛けて、やや深く返る。

【見どころ】龍神太郎貞行は、明治42年生まれ、安達貞楠といい、川野貞心(月山貞勝門)の門人です。もと陸軍受命刀工で、和歌山県御坊市の紀南日本刀鍛錬研磨道場鍛錬部主任として、日本刀の製作に当たりました。戦後は、昭和41年に作刀承認を受け、静かな山の中で日本刀の製作に専心することをのみ願ったと伝えられます。貞行の「貞」は師から、「龍神太郎」は、貞行刀匠の後援会から贈られた名です。本作は、身幅広め、重ねやや厚い姿の脇差で、板目肌よく練れ、地沸つき地景入る地鉄に、互の目に丁子刃交じり足・葉入る躍動感のある刃文を焼いています。表裏の彫物もよく調和し、宝刀としての魅力に溢れた脇差です。

【状態】裏の刀身中程の刃中に小疵があります。切先の先端付近に薄錆があります。

【付属品】銀一重ハバキ、白鞘、白鞘袋、登録証(和歌山県22792号　平成1年2月15日交付)

【商品番号】A040924　【価格】480,000円(消費税、国内送料込み)