脇差　白鞘入り
Wakizashi, Shirasaya

【銘文】表 : 肥刕大村住源宗國

【寸法】刃長 55.0cm(1尺8寸1分5厘)、反り 1.2cm(3分9厘）、元幅 3.43cm、元重ね 0.72cm、先幅 2.57cm、先重ね 0.58cm、目釘孔1 個、刀身重量 715g 、白鞘全長 84cm

【時代】江戸時代　安政頃

【国】肥前

【特徴】鎬造、庵棟、身幅広く、重ね厚く、反りややつき、中切先延びる姿。

生茎、鑢目逆筋違、先栗尻、目釘孔一。

地鉄は、板目肌、流れごころ地沸つく。

刃文は、互の目乱れ、沸よくつき、砂流し・飛び焼きかかり、湯走りかかる。

帽子は、浅く乱れ込み、丸く返り、先掃き掛ける。

【見どころ】源宗国は、近年まで銘鑑漏れの刀工とされており、伊予掾宗次の系統とも鑑せられています。本作は、薩摩新々刀を見るような作風で、身幅広く、重ね厚く、豪壮な一振りです。沸よくつく互の目乱れ刃文となり、ところどころ湯走りもかかっています。本作は、『肥前の刀と鐔』(福永酔剣・寺田頼助 雄山閣 昭和49年 [刀剣の部]209頁)に所載された一振りで、珍しく貴重な作品です。

【状態】良好です。

【付属品】素銅地金鍍金一重ハバキ、白鞘、白鞘袋、登録証(東京都122232号 昭和参拾九年拾月弍拾九日交付)、日本刀剣保存会鑑定書 : 秀作(昭和40年8月1日発行)、特別貴重刀剣認定書(日本美術刀剣保存協会 昭和45年5月1日発行)、日本刀剣保存会鑑定書(令和3年10月17日発行)