【特徴】平造、庵棟、身幅やや広く、元に比して先重ねやや少なく、反りのない姿。

生茎、鑢目勝手下がり、先栗尻、目釘孔二。

彫物は、表に素剣と護摩箸、裏に棒樋を彫る。

地鉄は、板目肌流れて、杢目交じり、地沸つき、地景入り、棒映り立つ。

刃文は、小互の目に小湾れ交じり、小足入り、匂本位に沸ところどころつき、砂流しかかる。

帽子は、直ぐにやや突き上げごころ、小丸に返る。

黒呂色塗刻鞘短刀拵 : 海人図縁(鉄地象嵌色絵)、蔦に猿図頭(鉄地象嵌色絵)、植物図鐔(鉄地象嵌色絵)、花卉図目貫(赤銅容彫)、金茶蛇腹糸巻柄

【見どころ】康光は、盛光とともに応永備前を代表する刀工です。本作は、応永二十一年の年紀から、初代の右衛門尉の作と鑑せられます。地鉄は、地沸つき地景が入る板目流れで、棒映りが立ち、小互の目や小湾れ、足などが交じる小模様の乱れ刃文となっています。蛇腹糸巻柄の短刀拵は、鞘の刻みの数に三、五、七とそれぞれ変化を持たせています。

【状態】良好です。