【特徴】鎬造、庵棟、身幅・重ね尋常、反り浅くつき、中切先となる姿。

生茎、鑢目大筋違、先栗尻、目釘孔一。

地鉄は、板目肌流れごころ、地沸つく。

刃文は、湾れに小互の目を交え、足入り、匂深く、小沸よくつき、砂流しかかる。

帽子は、直ぐに小丸に返り、先やや掃き掛ける。

【見どころ】信濃守信吉は、江戸時代中期の山城の刀工で、京五鍛治の一人です。「山城住人信吉」「洛陽住高井信濃守藤原信吉」「信濃守藤原信吉」「信濃守源信吉」「高井信濃守信吉」「洛陽信濃源信吉造之」などと銘をきります。年紀には、正保三、明暦元・二、万治二、寛文四・五・十・十二などがあります。高井信吉家は数代続き、初代信濃守信吉の子は越前守を受領して越前守信吉となり、延宝ころの二代信濃守信吉は京・油小路に住し、大坂でも作刀するなど活躍しました。本作は、反り浅く中切先となる身幅尋常の姿で、板目に流れごころのある地鉄に地沸つき、湾れに互の目を交え匂深く小沸よくつき砂流しかかる刃文となっています。健全かつ出来栄えの優れた一振りです。

【状態】研磨済み、白鞘新調、たいへん良好です。