刀　白鞘入り
Katana, Shirasaya

【銘文】表 : 昭和壬戌年十月日　裏 : 肥前国住一吉

【寸法】刃長 74.2cm(2尺4寸4分8厘)、反り 2.3cm(7分5厘）、元幅 3.45cm、元重ね 0.76cm、先幅 2.66cm、先重ね 0.57cm、目釘孔 1個、刀身重量 910g 、白鞘全長 109cm

【時代】昭和57年(1982)

【都道府県】佐賀

【特徴】鎬造、庵棟、身幅広く、重ね厚く、先幅さほど狭まらず、反り頃合いにつき、中切先となる姿。

生茎、鑢目切り、先栗尻、目釘孔一。

表裏に棒樋を掻き流す。

地鉄は、小板目肌つみ、地沸つく。

刃文は、中直刃、小互の目刃を交え、小沸細かにつく。

帽子は、直ぐに大丸に返る。

【見どころ】中尾一吉は、昭和14年(1939)生まれ、佐賀県多久市北多久に住した刀匠です。堀井俊秀門の肥前国忠次が父・中尾三治郎であり、昭和30年より父について作刀を学び、昭和37年に作刀承認を受け、昭和卅八、卅九、四十、四十一、四十二、四十四などの年紀作があります。「一吉作」「中尾一吉作」「一吉仙琇刻之」等銘を切る作があり、彫師の苔口仙琇との交流があったこともうかがえます。手持ちのずっしりとした豪刀で、小板目肌がよくつみ、地沸がつく地鉄に、中直刃を焼いて、肥前刀の古風を継承しています。

【状態】良好です。

【付属品】ハバキ、白鞘、白鞘袋、登録証(佐賀県25457号 昭和57年11月10日交付)