脇差　白鞘入り
Wakizashi, Shirasaya

【銘文】表 : 桑名住

【寸法】刃長 32.1cm(1尺0寸5分9厘)、反り 0.4cm(1分3厘）、元幅 2.90cm、元重ね 0.54cm、目釘孔 2個、刀身重量 227g、白鞘全長 46.5cm

【時代】室町時代後期

【国】伊勢

【特徴】平造、庵棟、身幅広く、重ね尋常、寸延びで、浅く反り付き、ふくら枯れる姿。

生茎、鑢目浅い勝手下がり、先入山形、目釘孔一。

地鉄は、板目肌、流れごころ、地沸つく。

刃文は、湾れに小互の目交じり、沸やや叢につく。

帽子は、湾れ込み丸く返る。

【見どころ】「桑名住」ときる刀工として筆頭に浮かぶのは、室町後期の伊勢国を代表する村正です。村正の初代は文亀頃で、天文頃の二代が最も技倆に優れたとされ、以後、数代続いたことが知られています。本作は、茎の形や表裏の揃った刃文など村正に通じる作風で、刀工名を避け居住地のみの銘をきった点は徳川家に配慮したものか、後代村正と見ることもでき、興味深い作です。

【状態】表の下半に浅い鍛え割れがあります。そのほかは良好です。

【付属品】素銅地一重ハバキ、白鞘、白鞘袋、登録証(広島県41258号 昭和48年2月21日交付)、銃砲刀剣研究会 : 桑名住(三代村正)(令和4年4月26日発行)