【特徴】鎬造、庵棟、身幅やや広く、重ね尋常、元先に幅差つき、反り深く、中切先となる姿。

生茎、鑢目勝手下がり、先栗尻、目釘孔一。

地鉄は、板目肌、杢交じり、地沸つく。

刃文は、丁子乱れに、大丁子・小丁子・小互の目・尖りごころの刃などが交じり、小沸つき、砂流しかかる。

帽子は、直ぐに小丸に返る。

研出鮫黒塗鞘打刀拵 : 三鈷剣龍図目貫、木瓜形透鐔、素文黒塗縁頭

【見どころ】焼きの高い丁子乱れが元から先まで続く華やかな備前伝の刃文で、江戸時代前期頃の作と見られ、日本刀剣保存会により石堂宗弘と極められています。石堂宗弘は、日置一法(常光の別名とも)の子、光平の弟と伝えられ、本国は近江石堂、京で作刀したのち、江戸に移りました。寛文(1661-1673)頃の刀工です。「日置越前守源宗弘」「洛陽五条住日置越前守源宗弘造」などと銘をきります。年紀には、寛文元・五などがあります。

【状態】観賞用としては仕上研ぎが十分でなく、横手筋がぼやけ、ヒケが多い状態です。刃先にごくわずかな刃こぼれがあります。拵の状態は良好です。