刀　白鞘入り
Katana, Shirasaya

【銘文】無銘

【寸法】刃長 71.5cm(2尺3寸5分9厘)、反り (5分9厘)、元幅 3.07cm、元重ね 0.67cm、先幅 2.22cm、先重ね 0.51cm、目釘孔 1個、刀身重量 810.5g、白鞘全長 101.5cm

【時代】江戸時代前期

【国】肥前

【特徴】鎬造、庵棟、身幅広め、重ね尋常、鎬筋やや高く、反り頃合いにつき、中切先延びる姿。

生茎、鑢目切り、先栗尻、目釘孔一。

地鉄は、小板目肌よくつみ、地沸微塵に厚くつく。

刃文は、互の目に小湾れや大互の目、丁子風の刃などが交じり、匂深く足入り、小沸よくつき、金線・砂流しかかり、飛び焼き入る。

帽子は、直ぐに小丸、先掃きかける。

【見どころ】焼幅を広めに、匂深く、華やかな乱れ刃文を焼いた覇気のある一振りで、肥前正広と極められています。初代正広は、肥前初代忠吉の孫、忠吉の女婿吉信の子で、初銘は正永といい、寛永二年に正広に改銘しています。寛永18年ころから河内大掾を冠した作品が見られます。初代忠吉の歿後、二代忠広を助けて協力者として活躍し、傍肥前刀工中最も技量が優れた刀工として知られています。

【状態】古研ぎでわずかに小錆がありますが、概ね良好です。

【付属品】素銅地銀着一重ハバキ、白鞘、白鞘袋、登録証(佐賀県22190号 昭和51年7月13日交付)、保存刀剣鑑定書(日本美術刀剣保存協会 令和4年6月4日発行)