【特徴】姿は、鎬造り、庵棟、身幅広く、重ね厚め、鎬筋高く、反り強くつき、中切先延びる。

　茎は、生茎、鑢目筋違、先浅い入山形、目釘孔一。

　彫物は、表に腰樋、裏に護摩箸を彫る。

　地鉄は、小板目肌つみ、地沸微塵に厚くつき、地景入る。

　刃文は、中直刃、鼠足入り、刃縁小沸つき、砂流しかかる。

　帽子は、直ぐに先掃き掛けて尖ごころに返る。

【見どころ】反りつき中切先延びる、頑健で力強い姿で、小板目肌よくつみ地沸つき、細やかな変化を交えた中直刃となっています。丹後守直道は京初代丹波守吉道の次男です。初銘は直道と銘し、のち祖父の名を受継いで兼道と改銘したという説と、初銘が兼道で喜寿を控えた延宝頃に直道と改名したという説があります。寛永二年、丹後守を受領し、大坂に移住しました。初代大坂丹波守吉道と共に、三品派の繁栄に寄与した、大坂新刀を代表する刀工の一人です。地鉄が明るく澄んでいるところも本作の見どころです。銘字の鏨運びに工夫がみてとれ、刃文構成にも個性のある面白い一振りです。

【状態】健全な姿で、研磨の状態も良好です。