Touken Komachi








刀 白鞘入り 拵付き
Katana, Shirasaya, Koshirae
薩州正良
Sasshu Masayoshi
【銘文】表 : 知天命薩摩官工秩父末葉平正良造之 裏 : 天明五己八月
【寸法】刃長 71.0cm(2尺3寸4分3厘)、反り 1.6cm(5分2厘)、元幅 3.25cm、元重ね 0.64cm、先幅 2.31cm、先重ね 0.48cm、目釘孔 1個、刀身重量 741g 、白鞘全長 101cm 、拵全長 102cm
【時代】江戸時代後期 天明5年(1785)
【国】薩摩
【特徴】鎬造、庵棟、身幅広く、重ね尋常、元先やや幅差つき、反りが深めにつき、中切先延びる姿。生茎、鑢目勝手上がり、先入山形、目釘孔一。地鉄は板目肌流れごころに、杢目交じり、地沸厚く盛んにつき、地景風の変わり鉄交じる。刃文は、大互の目乱れ、尖り刃交じり、匂深く、匂口冴え、沸よくつき、荒沸を交え、金筋・沸筋・砂流しかかり、焼頭に沿って湯走り入る。帽子は、小さく乱れ込みその先は直ぐごころに小丸となり先掃き掛ける。

 正良は、享保十八年生まれ、次右衛門と称し、二代正伊地知正良の子、三代目を継ぎ初銘は正良と切ります。薩摩藩工となり、寛政元年伯耆守を受領した時正幸と改銘します。刀剣鍛錬の著書があり、刀工教育者としても著名で、新々刀前期の薩摩刀を代表する刀工です。文政元年八十六歳で没。

黒蝋色塗鞘薩摩打刀拵 : 竹虎図鐔(無銘 知識 / 鉄磨地 肉合彫 金象嵌 小透 銀布目象嵌耳)、竹虎図目貫(赤銅地 容彫 金色絵)、水飲虎図縁頭(赤銅石目地 高彫 毛彫)、正絹御納戸色糸諸撮巻柄

参考文献 : 『新版 日本刀講座 第六巻』本間薫山・佐藤寒山監修 雄山閣 平成9年、『第五十一回重要刀剣図譜』日本美術刀剣保存協会 平成17年


見どころ】身幅広く堂々とした姿に、すさまじく沸づく地鉄、匂口の冴えた大互の目乱れに荒沸つき金筋・沸筋・砂流しが刃中に絡むように働く、覇気のある出来口で、天明五年、五十三歳の正良の記念碑的な作です。
「知天命」ときるのは天命五・六年の作に見られ、ちょうど「天明」年間に五十代となり、『論語』 「為政第二」 の「五十而知天命」を踏まえ、齢五十にして自らの「天命」を知ったと語呂合わせしたとも考えられます。「平」を銘に添えるのは天明年間からで、父祖の作に藤原姓を切る例があることからも注目されます。「薩摩官工」ときるようになるのは天明三、四年からです。秩父末葉と添え銘をしていますが、これは秩父庄司重忠、すなわち鎌倉時代初期の勇将として知られる畠山次郎重忠の末裔との意味です。本作は、正良研究において欠かすことのできない史料性を有し、『日本刀講座 四 鑑定編 新刀』(神津伯 雄山閣 昭和12年)66頁、『刀影摘録 神津伯押形 全』(日本美術刀剣保存協会 刀剣春秋新聞社 昭和59年)1094頁に所載されています。


状態最上研磨済。拵も近年に制作されたばかりで、当代における第一級の職方の手になる、薩摩の金具を用いた端正な打刀拵が付けられています。
【付属品】上貝金無垢丸に十文字家紋透下貝素銅地金着二重ハバキ、白鞘、白鞘袋、拵、拵袋、柄袋、登録証(東京都 第177834号 昭和四拾八年五月拾日交付)、刀 : 特別保存刀剣鑑定書(日本美術刀剣保存協会 平成六年四月五日発行)、鐔 : 保存刀装具鑑定書(日本美術刀剣保存協会 平成十三年十二月十九日)目貫 : 保存刀装具鑑定書(日本美術刀剣保存協会 平成二十八年五月十一日)



【商品番号】A030817【価格】2,800,000円(消費税、国内送料込み)


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