脇差 白鞘入り 拵入り Wakizashi, Shirasaya, Koshirae |
大和守安定 Yamato no kami Yasusada |
【銘文】表 : 大和守安定 |
【寸法】刃長 56.1cm(1尺8寸5分1厘)、反り0.9cm(2分9厘)、元幅 3.23cm、元重ね 0.77cm、先幅 2.21cm、先重ね 0.50cm、目釘孔 壱個、刀身重量 628g、白鞘 78.5cm、拵 83cm |
【時代】江戸時代前期 |
【国】武蔵 |
【特徴】鎬造、庵棟、身幅広く、重ね厚く、反り浅めにつき、中切先詰まりごころとなる姿。生茎、鑢目大筋違、先栗尻、目釘孔一。地鉄は、板目肌やや肌立ち、杢目を交え、地沸厚くつき地景入る。刃文は、湾れに互の目を交え、足入り、匂口沈みごころ、沸厚くつき、荒めの沸を交え、砂流ししきりにかかる。帽子は、直ぐに沸付いて掃き掛け、先小丸、やや長めに返る。 黒蝋色塗鞘脇差拵 : 老松招福図鐔(赤銅魚々子地鋤出高彫金色絵)、伊勢海老図目貫(銅地金鍍金)、波濤図縁頭(赤銅地金色絵) 大和守安定は、過去に本国越前説が有力でしたが、今日では紀州石堂派の出身であることが知られています。その根拠は、『新刀弁疑』に安定が石堂一家であることや「安定・紀州」との記載があるほか、紀州石堂派の為康・康広らと同様に「冨田」あるいは「飛田」を姓として用いる作がまま見られること、「紀州和歌山住安広造 大和大掾安定作」と銘を切る作が現存することなどです。 また、「大和守安定 行年五十三歳之 寛文十暦八月日」と銘を切る作があり、これに依れば元和四年生まれということも分かります。安定には、山野家の金象嵌切断銘の作があり、その中で「武州作之」と銘したものに慶安元年・二年紀があり、この頃すでに江戸で作刀したことが分かります。さらに、同じ山野家の金象嵌切断銘があり、作風と茎仕立てに共通性がある和泉守兼重を安定の師とする説が有力です。大和守安定の銘は、刀工とその作刀について豊富な情報を後世に伝えています。 参考文献 : 『日本刀銘鑑』石井昌國編著 本間薫山校閲 2003 雄山閣、『第五十回 重要刀剣図譜』日本美術刀剣保存協会 平成16年 【見どころ】角がかる湾れに互の目を交えた刃文はよく沸付き、板目に杢交じる地鉄は地沸厚くつき地景が緊密に絡み強靭な肌目が見て取れます。身幅広く、重ね厚く迫力ある姿に、先が引き締まった茎の形状も特徴的です。拵金具は縁起のよい意匠の組み合わせで品良くまとめられ、黄金色に輝く海に航海いざ乗り出さんとする如き意気漲り、本刀が守護の一振りとして大切に伝えられてきたことが窺えます。 【状態】刀身表中程のやや上の平地に、炭篭り風の小傷がありますが、鑑賞の妨げとなるほど目立つものではありません。わずかに小錆があります。 *より詳細にご覧になりたい部分を撮影してメールにてお届けすることが可能です。お気軽にご連絡ください。
*当店にて実物をご覧いただけます。お手にとってご覧になりたい方は、前日までにご予約の上、ぜひご来店くださいませ。 (刀剣小町 担当 塚田 まで TEL : 03-5284-9014 / E-mail : s_tsukada@toukenkomachi.com) |
【付属品】素銅地金着一重ハバキ(波濤図)、白鞘、白鞘袋、拵、拵袋、登録証(石川県 第11950号 昭和四十年四月二十一日発行)、特別保存刀剣鑑定書(日本美術刀剣保存協会 平成十八年七月三日発行) |
【商品番号】A050617【価格】売約済 |
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