【特徴】平造り、庵棟、身幅重ね尋常、反りのない短刀。生茎、茎はやや反りがつき、鑢目筋違に化粧鑢、先栗尻、目釘孔１。地鉄は小板目肌よく詰み、地沸つき、地景入る。刃文は小沸出来直刃調、わずかに湾れごころを交え、匂口冴え、小沸厚くつき、金線、砂流しかかる。帽子は先掃掛けごころに小丸に返る。

山口清房刀匠は、昭和7年12月4日岩手県生まれ。本名は山口武。人間国宝であった隅谷正峯の門、昭和44年に作刀認可を得て独立、以降岩手県盛岡市で鍛刀場を開き作刀する。昭和45年、第六回新作名刀展に出品し努力賞を受賞、以後毎日新聞社賞・高松宮賞・日本美術刀剣保存協会会長賞など特賞を多数受賞、昭和61年に薫山賞を受賞、同年無鑑査に認定されています。

【見どころ】山口清房刀匠は一文字派の丁字乱れや備前伝が得意とされますが、本作のような直刃の作品を堪能できるのも喜ばしいことです。小板目肌良く詰み地沸きらめき潤いに満ちた地鉄に直刃を焼き、姿も雅やかで格調ある一口となっています。

【状態】新作刀、研磨済み。